ここでは、天ぷら屋にしては珍しい『ひろみ』という店名の由来についてお話したいと思います。

“天ぷらひろみ”として開店したのは、昭和33年6月1日となっていますが、
創業者『佐藤寛次・みつ』夫婦は、昭和23年から鎌倉で商売をはじめていました。

鎌倉駅横の通称“マーケット”と呼ばれていた場所で、小さな店を開けているようです。
しかし、寛次・みつ夫婦にその店の話を詳しく聞くことが出来ず二人とも世を去ってしまいました。

寛次は戦前、東京の一流料亭の脇板までした人で本職は日本料理の板前さんでした。
そんな腕をしても戦後は容易ではなく、東京は焼け野原、妻の疎開先、鎌倉でやむなく小さな
いわば(天ぷらを中心とした)“定食屋さん”を始めました

何はともあれ、稼ぎがなければなりません。“日本料理”なんて大げさなことを言ってはいられません。
『天ぷら屋なら“器”や“材料”も、それほど用意しなくてすむ』ことから

『一番手っ取り早く商売が始められる』と思ったようです。

しかし、当時は、商売に必要な物は“ヤミ”で仕入れなければ十分ではなく
それ故、当局の手入れも頻繁で大変だったそうです。
そこで、開店にあたり『屋号』はなんとするということで
『寛次の、寛(ひろ)』それに『みつの、』を取って『ひろみ』の誕生となったのです
要は、飲み屋さんのような名前にしておけば、手入れも少なかろう
ということから『ひろみ』という名前で今日までやってきたのです。

《創業当時の店》
《創業者:佐藤寛次》
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